最新技術を現場の力に!サイボウズが語る「中小企業のチームワークを加速するAI活用術」

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最新技術を現場の力に!サイボウズが語る「中小企業のチームワークを加速するAI活用術」

中小企業や小規模な組織において、業務効率化の切り札として「生成AI」への注目が急速に高まっています。しかし、多くの生成AIサービスがあふれる今、「新しいAIツールをゼロから選定して導入する」ことだけがAI活用ではありません。

すでに社内で活用している、あるいは導入ハードルが低い「サイボウズ製品(サイボウズ Office/kintone)」などの既存のSaaSをベースにAIを利用するアプローチは、IT担当者のいない組織にとって最も「簡単」で「安全」な近道でもあります。

今回は、サイボウズが提供するプロダクト思想について、同社の栗山 圭太 氏、山田 明日香 氏にお話を伺いました。

1.プロンプト不要。ボタン1つで日常業務に溶け込む「タスク型AI」【サイボウズ Office編】

グループウェア市場で圧倒的なシェアを誇る「サイボウズ Office」は、スケジュール・メッセージ・業務データなど、社内のあらゆるテキストデータや予定が集約されるプラットフォームです。サイボウズは、この蓄積された社内データを安全かつスマートに活用し、日々の業務を一歩先へ進めるべく、AI機能の実装に力を入れています。

日常業務の延長線上にAIを溶け込ませる思想

現在、同社では開発中のAI機能を体験できる「Office AIラボ」を公開しており、2026年6月時点では「ヘルプAI」「校正AI」「要約AI」の3つが提供されています。これらは派手な自律エージェントを目指すのではなく、日常業務の延長線上にAIを溶け込ませるという思想に基づいているといいます。

特定の機能を劇的に進化させることよりも、情報を書いたり読んだりする際の心理的なハードルを下げることが目的です。取材の中で、開発の現場からは「書き込むハードルが下がれば成功」という言葉も聞かれました。グループウェアの価値はチームで情報をやりとりすることにあり、AIを活用して「書くのが億劫」という感覚を減らすことで、情報の流れ自体を改善するという考え方です。

「対話(プロンプト)」ではなく「実行(クリック)」のUI

一般的な生成AIを利用する場合、精度の高い回答を引き出すための「プロンプト(指示文)の作成」という壁が立ちはだかります。ITに苦手意識がある社員にとって、思い通りの結果を出すための試行錯誤は大きな負担であり、「かえって手間が増えた」と感じる原因になりかねません。

この潜在的な課題に対し、サイボウズ Officeがとったアプローチは、徹底した「タスク型(ボタン操作)」のUI(ユーザーインターフェース)です。

画面上のボタンをクリックするだけで処理が進むため、誰でも直感的に操作できます。

情報発信・受信、双方の負担を軽くする「校正」と「要約」

「掲示板」「メール」「メッセージ」といった日常のコミュニケーション機能に、校正AIや要約AIが組み込まれています。ボタン1つで誤字・脱字をチェックしたり、長文を素早く要約して要点を把握できたりするため、チーム内の情報共有がスムーズになります。

「かんたん、らくらく」に使えるというコンセプトは、AIの時代になっても変わりません。普段から使い慣れたツールにAIが組み込まれていること自体が、実用的なAI活用の形と言えます。

2.既存のアクセス権と完全連動。RAGによる「安全な情報資産の活用」【kintone編】

サイボウズはkintoneのAI機能「kintone AI」を2026年6月14日に提供を開始しました。

企業の財産である社内データをAIに読み込ませる際、情報システム部門がいない組織で最も致命的なリスクとなるのが「情報漏えい」と「権限管理」です。一般社員がAIに質問した結果、閲覧権限のない役員報酬データや人事評価が露出してしまう事態は絶対に避けなければなりません。また、外部の生成AIに自社の機密データを学習されてしまうリスクも懸念されます。

ノーコード・ローコードの業務改善プラットフォーム「kintone」では、AIはこうした課題にどう向き合うのか、その詳細を掘り下げていきます。

既存のアクセス権がそのまま反映される安心感

kintoneにはもともと、アプリ・レコード・フィールド(項目)単位での細かなアクセス権設定が備わっています。例えば、「人事部門のデータは人事担当者だけが見られる」「顧客情報は営業担当者のみ閲覧可能」といった制御が可能です。kintoneのAI機能は、利用するユーザー自身の既存アクセス権をそのまま引き継いで動作するため、見てはいけないデータがAIを経由して露出することは構造上ありません。

「作れるかどうか」の先にある、運用の責任

今では生成AIを使えば、プログラミング経験がなくても業務アプリのたたき台を短時間で作れるようになりました。しかし今回の取材では、「作れるかどうか」の先にある課題が強調されました。

  • 作ったアプリをどのサーバーに置くか(デプロイ)
  • 誰がそのアプリの動作を保証するか(責任者)
  • 誰がどのデータを見られるか(アクセス権)
  • 誰の操作をどう記録するか(監査ログ)
  • アプリが壊れたとき、誰が直すか(保守)

「作れるかどうか」の問題は解決しつつありますが、「誰が運用責任を持つか」というガバナンスの問題は変わっていません。この点こそ、長年プラットフォームを提供してきたサイボウズが安心感を提供できる領域です。

取材の中では、AIエージェントのアクセス範囲について、同社からこのような考え方が語られました。

「AIに渡すアクセス権は必要最小限に設定するべきと考えています」

AIに多くの情報を渡すほど回答の精度は上がりやすくなりますが、自律的に判断して動くAIほど、アクセスできる範囲は絞る必要があります。「なんでも見せる」のではなく、「この業務に必要な範囲だけ渡す」という設計が、実運用の基本であると考えているとのことです。

ここで紹介された「ファイルのアクセス権」「学習されないデータ・RAGを用いた回答」「運用保守の観点」の3つは、AIを活用していくうえで切り離せない重要なポイントです。既存のアプリケーション改修時には、スクラッチ開発だけでなく、kintoneを用いた業務アプリケーション開発も視野に入れてみる価値があるでしょう。

3.ノーコード文化との融合。技術の進化に合わせて「小さく試して広げる」【未来の可能性とエコシステム】

現場の担当者が自ら業務アプリを作れる「ノーコード文化」を持つkintone。ここに生成AIの「プロンプト(自然言語)」が加わることで、両者は対立するのではなく、お互いの良さを高め合う形で融合していきます。

「kintone AI」で実現する業務支援

「kintone AI」では、以下のような機能が実装されます。

  • 検索AI:複数アプリのデータをアクセス権に配慮しながら横断検索できる。
  • アプリ作成AI:業務内容の説明からアプリのたたき台を自動生成する。
  • レコード一覧分析AI:アプリに蓄積した情報を分析・要約する。

さらに「プロセス管理設定AI」「レコード一覧分析AI」「アプリ設定レビューAI」も含まれ、kintone内のデータ検索・要約・回答生成を幅広くサポートします。

ノーコードの利便性はそのままに、AIによってアプリ開発・運用のハードルはさらに下がります。認証・アクセス権・監査ログなどのガバナンスが完備されたkintoneだからこそ、誰もが安心してAIの恩恵を受けられます。

汎用的な標準機能とエコシステムの役割分担

kintoneの強みの一つは、多数のパートナー企業が提供するプラグインや外部連携(エコシステム)にあります。サイボウズが提供するのは、誰もが共通して使える「汎用的な標準機能」に絞っています。中小企業のユースケースは企業ごとに大きく異なるため、細かなニーズにはエコシステムで応える設計となっています。

AIは発展途上の技術であり、進化のスピードも非常に速いのが特徴です。中小企業が莫大なコストをかけてAIシステムをゼロから構築するのはリスクが高く、現実的ではありません。まずは標準機能や豊富なプラグインを活用し、AI-OCRや音声AIなどを「自社業務にフィットするか小さく検証し、効果が見えたら徐々に範囲を広げる」アプローチが、コストパフォーマンスの面でも優れています。

将来的には「MCP(Model Context Protocol)」などの技術を活用し、自然言語で指示するだけでAIが「Garoonから今月の訪問予定を取得し、自動でkintoneに登録・集計する」といった、ツール横断型の「AIエージェント」の実現にも取り組んでいるとのことです。サイボウズは、誰もがすぐ使える「標準のAI機能(純正)」と、外部AIと高度に連携できる「拡張性(自由)」を共存させ、企業の成長ステージに応じた選択肢を提供しています。

MCP/APIは「外部AI連携の選択肢」として理解する

kintoneには、外部のAIとデータを連携させる仕組みが複数用意されています。

開発者向けの接続口

kintone MCPサーバーは、サイボウズが公式に公開しているオープンソースのローカルMCPサーバーです。Claude などMCP対応のAIクライアントから、kintoneのアプリやレコードを操作できます。ただし、これは開発者向けの接続口であり、標準の業務機能ではありません。APIトークン認証を使うことでAIに許可する操作を制御できますが、接続方式によって変更履歴の残り方が異なるため、導入前の確認が必要です。

MCP連携で広がる可能性と増える責任

MCPを使えば、外部AIがkintoneのデータを参照したりレコードを作成したりすることができ、「AIが社内データベースに直接アクセスして提案してくれる」ような体験が実現します。

一方で、取材では「AIの可能性が広がるほど責任範囲も広がる」という点が強調されました。AIが自律的に操作できる範囲が増えれば、誰がその操作を承認・記録し、必要に応じて止めるかを事前に決めておく必要があります。

MCP連携は純正AIや連携サービスと比べて高い設計力が求められるため、専任のIT担当者がいない中小企業では、まず純正AIや連携サービスの活用から始め、MCP/API連携は必要性が明確になってから検討するという順番が現実的です。

まとめ:AIを「新しいツール」ではなく「新しいチームメンバー」へ

生成AIは、大量のデータをもとにコンテンツを生成・分析することが得意です。全社でkintoneやサイボウズ製品を利用していれば、日々の業務情報・過去の議事録・ベテランの知見・日報などが、すでに「組織の共通資産」として安全に蓄積されています。このデータ基盤があるからこそ、AIは本当の価値を発揮します。

AIと現場が滑らかにかみ合っている状態を目指して

個人の生産性向上にとどまらず、組織全体の業務プロセスを改善するために、AIをどうチームに迎え入れるか。サイボウズが目指すのは、「AIと現場が滑らかにかみ合った状態」です。

AIが特別なものではなく、チームメンバーの1人として日常業務に溶け込んでいる状態。AIが人の代わりにルーチンワークやデータ処理を支えることで、現場の人たちが「考えること」「判断すること」「協働すること」という、人間にしかできないクリエイティブな活動に集中できるようになることを同社は目指しています。

複雑なセキュリティ設定やプロンプト教育に奔走する必要はありません。専任のIT担当者がいない組織こそ、すでに自社にある身近なサイボウズ製品を通じて、「簡単・安全・ノーコード」にAIの恩恵を享受することから始めてみてはいかがでしょうか。

kintoneのご相談はこちら

AI-Clutchを運営するUSEN Smart Worksでは、kintoneをはじめとしたサイボウズ製品を提供しています。「kintoneを利用しており、AI機能が気になっている」「kintoneに興味があり、何ができるか知りたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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